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2022年7月の移転オープン以来、地元だけでなく全国的な話題をさらっている、金沢市の石川県立図書館。好奇心を刺激する開放的な空間はフォトスポットとしても人気で、観光で来られるお客様にもおすすめです。もちろん、図書館としての機能も申し分なし!市内在住の筆者も普段から利用しています。
雨や雪の日が多い金沢の旅行では、屋内で過ごせる場所を目的地のひとつに加えてみてはいかがでしょう。

石川県立図書館・グレートホール

新しい県立図書館が全国に知られるきっかけとなったのは、このグレートホールと呼ばれる空間。建物の東西南北にある入り口のどこから入っても、ここを通って書架に向かいます。広い円形の吹き抜けはどこかスタジアムのようでワクワクしますね。
この記事では、石川県立図書館の歴史や見どころ、おすすめスポットをご紹介したいと思います。

兼六園の中にあった図書館

石川県立図書館の前身は、石川県勧業博物館の中にあった図書室。明治12年、加賀前田家の蔵書など3万冊が公開されたのが始まりです。場所は兼六園の中、当時は兼六公園と呼ばれていました。天下の書府と称された加賀藩の書物は図書室に収められ、大名庭園は誰もが入れる公園に。前田のお殿様の財産が市民に開放されたことに、当時、大きく移り変わっていた時代の流れを感じます。

石川県勧業博物館

石川県勧業博物館 – 石川県立図書館デジタルコレクション

資料リンク

その後、勧業博物館内の図書室は閉室、明治45年に石川県立図書館が開館しました。場所は同じく兼六園の中です。なかなか素敵な洋館ですが、現在はもう残っていません。

兼六園の中にあった旧石川県立図書館

石川県立図書館 – 石川県立図書館デジタルコレクション

資料リンク

戦後、県立図書館は近くの金沢市本多町に移り、2021年に現在の図書館への移転準備のため閉館しました。

石川を知ろう

ここからは2022年に開館した新しい石川県立図書館のご紹介。
グレートホールの中心にあるのは、石川県について知ることができる書架や展示です。「里の恵み・文化の香り〜石川コレクション〜」と名付けられたこのコーナーでは、石川の伝統文化や自然などのテーマに沿って展示されていますので、まずは気になった本や資料を手に取ってみてはいかがでしょうか。石川で行きたいところ、食べたいもの、買いたいものについて調べたり、知らなかった情報に触れたりできるかもしれません。

「里の恵み・文化の香り〜石川コレクション〜」の展示

またグレートホールの外、南側の屋内広場の壁面には、石川県の伝統工芸品の数々が展示されています。こちらもぜひ見ていただきたいです。

▶石川県立図書館のフロアマップを見る

本の探し方いろいろ

本との出会いの窓

「里の恵み・文化の香り〜石川コレクション〜」のお隣、グレートホール西側にある展示は、「本との出会いの窓」。小さな窓をのぞき込んだら、いつもは選ばないような本が目に留まるかも。

(写真をクリック(タップ)すると大きく表示できます)

 

12のテーマから見つける

「文学に触れる」「仕事を考える」など、12のテーマに沿った本棚の回廊。特に読みたい本が決まっていないとき、勉強や作業の気分転換をしたいときにおすすめのコーナー。先ほどの「本との出会いの窓」もこのテーマのひとつ。通路を歩きながら本の表紙を眺めていると、町の路地裏を探索するようなワクワクした気持ちになります。

日本十進分類法(NDC)から探す

読みたい本が大体決まっている方、普段からよく図書館を利用される方には、お馴染みの分類に従った書架が便利。円形に並んだの書架の外側、四角い建物の西側と南側の角の部分の2階と3階になります。館内のいろいろな場所に図書検索機がありますので、検索して探すこともできますが、その場合は本の位置(マップ)の載っているレシートを印刷することをお勧めします。

座る場所いろいろ

気になる本を見つけたら、手近な椅子に腰を下ろして読んでみたいですね。館内のいたるところに椅子が隠れていますので、ぜひお気に入りの場所を見つけてください。
狭いところが落ち着くタイプ(子ども時代、押し入れで本を見てた人とか)だと、書架の裏側の椅子に座ってみたくなりますね。また、広い空間を見下ろせる席や、自宅のリビングのようにゆったり座れる席もあります。
全体的に、コンセントつきの席が多くあるのが今どきです。
受験勉強など、集中して取り組みたい場合は、3階のサイレントルームがぴったりです。
ついつい長居してしまいそうですが、自家用車で来館する人は駐車場の無料サービスがある3時間を目安に退館することが多いため、意外に空席が見つけやすかったりします。

他にもこんな場所が

4階にはリングと呼ばれる1周約160メートルの閲覧コーナーがあります。テーマに沿って並んだ書架の間には座って読書ができる席があり、不思議と落ち着ける空間になっています。もし図書館が広すぎてどこを見たら分からない…と思ったら、まず4階に上がってこのリングを1周してみるのはいかがでしょう。上から見渡せば全体像が掴め、行ってみたいコーナーが見つけやすそうです。
地元で人気のカフェ、「HUM&Go#(ハムアンドゴー)」は1階の南側。店内でのお食事はもちろん、テイクアウトOKのメニューも。なお閲覧エリアにはフタのついた飲み物のみ、持ち込むことができます。

3階(E・東)には郷土史料などを集めた一角があり、書店では手に入らないような貴重な書籍などの資料が開架に並んでいます。ここは個人的にお気に入り。
近くには金沢を含む石川県内各地のガイドブックやグルメ本などが集められたコーナーもありますので、金沢旅行の作戦会議にも利用できそうです。

そのほか、親子でゆったり過ごせる「こどもエリア」や講演会やコンサートもできる「だんだんひろば」、ミーティングや勉強会に使える「グループ活動室」も便利。
また、モノづくり体験スペースでは時々こんなイベントも。

休館日・アクセス

休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、特別整理期間 ▶カレンダーを参照
開館時間:
火 ~ 金:閲覧エリア 9:00-19:00、文化交流エリア 9:00-21:00
土・日・祝:閲覧エリア/文化交流エリア 9:00-18:00

住所:石川県金沢市小立野2丁目43番1号
バスで行く場合:
金沢駅より北陸鉄道バス(おもな路線のみ掲載)
[11] 金沢学院大学・東部車庫・石川県立図書館・金沢大学附属病院 ゆき(東口バスターミナル⑥のりば)
[12] 北陸大学(太陽が丘 薬学部)・湯涌温泉 ゆき(東口バスターミナル⑥のりば)
[10] 金沢学院大学・東部車庫 ゆき(西口バスターミナル⑤のりば)
石川県立図書館」バス停、または「崎浦・県立図書館口」バス停で下車
※路線バスでは全国交通系ICカードは使えませんが、クレジットカードのタッチ決済が使えます。乗車時と降車時の2回、タッチしてください。
▶詳しくはこちら

そのほか、注意事項など

石川県立図書館は、会話OK、写真撮影OKの図書館ですが、周囲の邪魔になるような大声でのおしゃべりはNG、写真を撮る際も、周りの方への配慮をお忘れなく。決められた場所以外での飲食は禁止です。▶よくある質問
公共施設ですので、みんなで気持ちよく利用したいですね。

石川県内にお住まいの方、通勤、通学されている方と、東海・北陸地区にお住まいの方は利用者カードを作ることができます。利用者カードがあると、本の貸し出しのほか、グループ活動室や視聴覚コーナー、サイレントルームなどの施設を予約をすることができます。最初に仮利用者登録が必要ですが、これはインターネットでできますので、事前にご自宅などから済ませておくとよいでしょう。▶利用者カードの作り方

金沢にはこんな図書館も

金沢市立玉川図書館

★改修工事のため2026年12月まで閉館中
武蔵ヶ辻交差点や近江町市場から徒歩5分ほどの場所にある図書館。館内には金沢が生んだ三文豪・泉鏡花、徳田秋声、室生犀星の像があります。
旧専売公社のレンガ造りの近世資料館を併設した建物は、建築家、谷口吉郎・吉生親子が共同で手掛けたもの。隣には玉川公園があって市民の憩いの場になっています。

金沢市立海みらい図書館

芝生広場の中に建つ、約6,000個もの窓がついた特徴的な建物。「世界で最も美しい公共図書館25選」に選ばれたこともあります。館内には明るい吹き抜けがあり開放的な雰囲気。かつて北前船の寄港地であった港にも近いエリアにあることから、日本海を通じた交流の歴史や地域のものづくりについて学べるコーナーもあります。

金沢市立海みらい図書館の外観

▶金沢市立図書館の情報はこちら

金沢市内にはいくつかの図書館があり、中には個性的な建築を楽しむことができるものもあります。もちろん、図書館を通じて地域の文化に触れられることも大きな魅力です。機会があれば、ぜひ訪れてみてください。

初めての金沢1泊2日の旅行プラン

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